大人向けの方法は、試行錯誤が続いてました。こちらの質問のタイミングがむずかしくて、もっと何気なく自由に話してもらうやり方を、いろいろ試していましたが。やっと、見つかってきました。
今回はAさん27才、2回目です。絵を描きながら自己探求の旅をしました。
〇△◇♡☆の中から今の自分を現す形を選んでもらいます。Aさん、〇△◇の3つを選びました。この〇△◇を、私が3種類の画材で、画材ごとに〇△◇を描きます。全部で9つの小さな絵を、色鉛筆、パステル、水彩絵の具を使って描くのですが、ひとつひとつ、Aさんの希望の色を使います。塗り方も、リクエストがあれば、その通りに塗ります。つまり、私を使ってAさんの表現の下絵を描いてもらうのです。
その後で「今の自分に一番近いのはどれでしょう?」と聞きました。ひとつを選んでもらいます。どうしてそう感じたかも、お聞きしました。ある形を自分に見立てて感じること。これは、その人の感性そのもののようでした。
「そこに足したいものがあればなにか描いてみて?」と提案します。Aさんの小さな旅は、ここから始まります。ゆっくり気持ちを巡らせて描いてもらいます。描かれた色のイメージについて、質問します。「こんなふうに描いていて、私はこんなふうに感じたけど、どうですか?」
すると、意外な答えが返ってくるのです。私とちがう人間なので、あたりまえなんですが、そういう気持ちで描いたのか、と感心します。意外な答えを丁寧に聞いていくと、面白いんです。その人の大事にしている軸のようなものが見えてきます。その中に出てきた、いくつかのテーマについて「そのテーマに近い絵はある?」と残り8個の絵の中から次のひとつを選んでもらって、足りないところを、何か描き加えてもらいます。そこにまた、私は感想を言って質問をする。すると意外な答えが返ってくる。。。(笑)ちがう人間だからあたりまえなんですが。。
この繰り返しでAさんの今の大事なテーマが見えてきます。 テーマは4つありました。Aさんに4つのテーマそれぞれの現状、気になること、知りたいことをお聞きしました。色は、そのあたりの気分をていねいに表現しているのでした。その人にとっての色使いは、ちゃんと感じることがあって現れているので、ていねいに色についての質問をして描いたときのイメージをお聞きしていきます。考え考え、答えてくれました。答えながら描いた本人にも新鮮な気づきがあったそうです。。ふだんは言葉にしない感覚を話すと気づきがやってきます。
最後に、まだ手を付けてない下絵があったので気になるところがあったら、好きに何か描いてみませんか?と言いました。Aさん、ふたつの絵に楽し気に描き加えてました。それはどんな感じで描いてました?と聞くと。描き足すうちに花のようになった絵は、「成長していく自分かな?」内側の感覚を再確認できて、未来に向かう気持ちが表現されたんではないかと思います。
もうひとつは、「流れていく水」。これは、変化し続ける環境の表現でしょうか。外側の環境は変化していくのが常だということも、確認出来たのではないでしょうか。Aさん、落ち着いて自分の呼吸をしています。絵を見ているとじんわりと水彩の絵の具が置かれていく呼吸、感じられるといます。
テーマの表現しにくいところにさしかかると、抵抗があったかと思いますが途切れずにマイペースで、続けられました。気楽さをキープするのは、アトリエの役目でもあるのです。私は、色から感じたことを質問して、その人の大事にしている感覚を確認します。一般常識からの評価はしません。一緒に山道を登っていくようなことだと思います。
小さな旅で描けたのは、実現可能な、未来予想図ではないかと思います。少し先の未来が曇って見えにくいとき、人はモヤモヤするのかもしれないです。それは、気づかないところで、根っこを伸ばして情報を探そうとしているのかもしれません。そんな自分を、色が教えてくれます。ゆっくり流れた2時間でした。もっと面白がってもらえるようにこれからも試行錯誤していきます。毎回、ちがう絵が現れて、ちがう展開になるでしょう。その人そのものの展開、楽しみです。
